トウヤが戻ってきて

とても嬉しかった。

でも、



同時にすごく悲しくなった。



だって俺は・・・・・・




***罪***




「ハヤト」
「トウヤ?何?」

トウヤがリィンバウムって世界から帰ってきて数ヶ月。
俺たちは今までのように学校にいって
公園で待ち合わせて、一緒に帰っていた。

今日はトウヤが俺の家に泊まりにきている。

もうすぐ期末だから、それのヤマとか教えてもらおうと思ってさ。




トウヤの前のテーブルにコンとコーヒーを置いて
俺も向かいにちょこんと座った。



「なんで僕のこと避けるの?」
「え」
凄く真剣な顔でトウヤが聞いてきた。
以前よりもずっと、ずっと強い瞳。
その瞳に射抜かれてしまって
俺は言葉がでなくなった。

少しだけ俯いてそれから笑って
「避けてないよ?」
といった。

「嘘」
トウヤの瞳は俺を逃がしてはくれなかった。
さっきよりも熱がこもった眼差しでこっちをみてくる。

「笑えてないよ、ハヤト」
それから、すこしだけ悲しそうな顔で呟いた。




「もう、遅いし寝ようか。勉強は明日やろう」
気がつけば日付なんて遠の昔に過ぎていた。
俺が意地っ張りだって事も分かっていてトウヤは優しくしてくれる。
甘やかしてくれる。
だから俺はいつもソレにつけこむんだ。

こわくて、そして耐えられなくて。


いつの間に飲み干したんだろう。
トウヤのコーヒーはなくなっていて、
俺は気がつけばトウヤの腕の中で、
目の前には安らかな寝顔をしたトウヤがいた。


「ごめん、ごめんなさい」
俺は頬をトウヤの胸によせて謝った。
こんなことをしても許されるなんて思えない。

いいや俺が俺を許すことなんてできない。





なんども謝っても、それでも俺の罪は消えることはない。
この体に染み付いたいやらしい事実は消えない。




きっとあのことを言ったら、トウヤは俺のことを嫌いになる。





お願い、嫌わないで。





貴方に嫌われたらきっと俺は息苦しくて生きていけない。






だから、俺は罪を背負うんだ。






トウヤに秘め事をし続けるという罪を










***END***
Hikari*Suzukane
いたみの続き。
やっとトウヤさんこっちにもどってきましたよ。
まあ、それでもハッピーではないのですが(苦笑

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