ねえ、貴方は魅惑すぎるんです
我慢が聞かない
どうすればいいの?
***抑圧***
「一馬、今度はあっちな」
そういって、貴方は俺の手を引いていく。
なんの躊躇いもなく俺をプライベートルームへと引き入れ
なんの疑いもなく俺に近寄り、俺に服を貸す
なんの思いもなく俺に近づいてくる
この危険な狼に。
俺はあんたが好きだ。
これでもかってくらい。
大切にしたいんだ。
あんたが望まないならこの思いは消してしまおう
思いを告げることもせずにしておこう。
なのに
なのにあんたは、
どうして俺に近づいてくる?
どうして俺に優しくする?
例えるなら今の俺は白いウサギを目の前にした狼。
その喰うべきものに恋を覚えた狼は、
空腹と理性と戦いながら、ひたすらウサギを見つめるんだ。
距離にして、お互いの間は約50メートル。
そこで、ウサギは狼に気づいて微笑むんだ。
そして近づいてくる。
なにも分かっちゃいない白いウサギは、狼に近寄る
駄目だ。駄目だよアキ。
それ以上近づくな。
これ以上俺に触れるな。
きっとそしたら俺は抑圧をかけられなくなる。
欲望のままに、君を喰らってしまう。
そして自分自身に酷く後悔をするんだ。
****END****
Hikari*Suzukane
三上さん、幸せかな?何も知らないんで。