あの時、なんで

あんなことをいったんだろう?




「トウヤ」と――――――――――




●●●夕陽●●●



『自分を信じろ』

声が、聞こえた。

彼に、よく似た声が




あぁ
彼が僕を呼んだんだ


と、不思議と納得できた







そして、今はいない

遠くの世界に一人でいる彼に

別々を道を歩いている彼に



伝えたいことがあった




「勝手なことしてごめんね、ハヤト」

トウヤの声はさびしく世界の片隅に転げ落ちて

ただ、消え去ってゆくのを待つばかり




一生懸命なげている言葉のボールも

いまはもう

届かない




それでも、トウヤは伝え続ける







「ごめん」
「ごめんね」
「ごめんなさい」


「勝手なまねしてごめん、ハヤト」





目を閉じれば、何故だか彼が側にいるような気がした

ちゃんと笑ってる?

転んでない?

ご飯食べてる??


泣いてない?






僕のこと忘れてない??








最後の質問はあまりにも利己的な質問で、
トウヤはそんなことを考えている自分が嫌になった











誰かが、俺を呼んだ気がしたんだ

いや、俺は魔王召喚の儀式にしっぱいして
あいつが、どんなやつかを見極めるためにつけていた

でも、あいつがピンチになって、
魔王(仮)が危険にさらされるのはまずいと思ったけれども
それよりも、身体が彼に合図を送るほうがずっと早かった


一体俺はなにをしているんだろう
「トウヤっ!」

どっかの誰かの声と一緒になった気がした

ここで、召喚獣の名前を出すのはヤバイと分かっていたけど
やっぱり、頭より身体がさきにうごいていたんだ





「君は誰?」
「俺はソル。お前がどこから来たかを知るものさ」




「信じてくれるか?」
「もちろん」




「君は僕の名前をしっていて、そして呼んでくれたんだ」









二人の後ろを夕日が静かに落ちていった
これが僕の2番目に良かった出会い







+End+
20040419
Hikari*Suzukane

inserted by FC2 system