かーごめかごめ

かーごのなーかのとーりーはー


いーついーつ でーあーうー

よあけのーばーんに

つーるとかーめがすーべったー




うしろのしょうめんだーあれ



●○●○篭の鳥○●○●




誰もいなくなって


俺が一人で寝るとき、それはやってくる。




暗い、道も見えないような中、

俺は一人浴衣を着て歩く。

それは、あの人が似合うっていってくれた

空色の浴衣で、

赤い鼻緒の下駄を鳴らして

俺は





ただ何ということもなく
歩き続けていた。



ためらう事もなく、ただ歩いていたんだ。




その時までは、後ろにあの人の気配がしたのを感じてる。



そして、小さい男の子の歌が聞こえるんだ





歌が聞こえてから、



1・・・・2・・・・3・・・・4・




5・・・6・・7・8・・・9・・・・10



11・・・・・・12・・・・・・・・・13


13歩目を歩いた瞬間、気配がなくなる


その瞬間、俺はあまりにも心細くなって
後ろを振り向く。



でも、




うしろには





もう



だれもいない。







俺は毎夜、この夢を見る。
怖くなって、直ぐに飛び起きると

現実では既に朝で


高校にいって

ロッサにいって

選抜にいって





そこにアナタはいない


いくら探しても、アナタはいない














「ゴーーーーーーーール!!!!」



「やったな、真田!!」


「よく決めたじゃん?かじゅまの癖に!!」


「当然でしょ、俺がパス出したんだから。」





ごめん、英士。
多分誰のパスでも同じなんだ


もう。




俺にとって、特別なパスはあの人からだけ



もう、そのパスをくれる人は
空の上にいるから




俺の後ろはだぁれもいない

だから、俺は前に進むしかないんだ。




後ろ向いてちゃ

きっと笑われる。


『なぁにやってんだ、このバカズマ!』

                                   フォワード
『俺様からのパスぐらい決めてみせやがれ!点取り屋だろーが!』


『後ろは俺らがいてやるから、テメーはさっさと、ゴール決めてきやがれ』





『お前がゴールするまで、俺は何度でもお前にパスしてやるよ、一馬』









「かーごめ、かごめ・・・」



気が付くと俺は夢の中の歌を歌っていた。



「真田ぁ、いっつもその歌うたってるけど、そんなに好き?」




「うん。」
藤代の質問に簡単に答えて、続きを口ずさむ。




「かーごーのなーかーのとーりーはー、いーついーつでーあーうー・・」

どんなに辛くて悲しい歌でも

もう、俺とアナタをつなぐものこの歌しかないから



「よーあーけーの ばーんに、つーるとかーめがすーべったー」




「藤代、ほっといてやってくんね?」
「若菜」



「あれ、一馬の精神統一方」
「そうなの?変じゃね??」




「あれで、自分が一人だって確認するんだってさ」
「な!?真田一人じゃねーだろぉ?」




「そうなんだけどなぁ、あれ歌ってないと、ピッチにいるとき可笑しくなるんだって」
「は?」




「だから、あれ歌ってないと」

















「後ろに三上さんがいると錯覚するんだって」










「!」



「そういや、三上先輩が居なくなってからだよな、真田があれ歌うようになったの」



「うん。見てて痛痛しいよ。」







うしろのしょーめん



だーぁれ??










「・・・・・・俺の後ろは誰も居ないんだょ・・・・・・・」










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20040729
Hikari*Suzukane

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